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大阪地方裁判所 昭和53年(わ)2686号 判決

被告法人

本店所在地

大阪府松原市三宅町一、二二〇番地

商号

トーグ安全工業株式会社

(代表者 野黒一郎)

被告人

本籍

大阪市南区高津町七番丁六番地

住居

同市阿倍野区北畠一丁目二三番三号

会社役員

野黒一郎

昭和一二年四月一一日生

出席検察官

上野富司

主文

被告法人トーグ安全工業株式会社を罰金二、〇〇〇万円に、

被告人野黒一郎を懲役一〇月に、それぞれ処する。

被告人野黒一郎に対し、この裁判確定の日から二年間、その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告法人トーグ安全工業株式会社は大阪府松原市三宅町一、二二〇番地に本店を置き道路用保安資材及び鉄道用資材の製作販売業を営むもの、被告人野黒一郎は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人野黒一郎は、同会社の業務に関し法人税を免れようと企て、

第一  同会社の昭和四九年五月一日から昭和五〇年四月三〇日までの事業年度において、その所得金額が一八四、二二七、〇二三円で、これに対する法人税額が六七、〇六二、九〇〇円であるのにかかわらず、売上の一部を除外し、架空仕入を計上し、簿外の定期預金を設定するなどの行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五〇年六月三〇日、大阪府八尾市本町二丁目二番三号所在八尾税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一〇三、五四八、二三九円で、これに対する法人税額が三四、八二九、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税三二、二三三、九〇〇円を免れ、

第二  同会社の昭和五〇年五月一日から昭和五一年四月三〇日までの事業年度において、その所得金額が三八四、四〇五、二六九円で、これに対する法人税額が一四七、四七四、四〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五一年六月三〇日、前記八尾税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が一八六、〇八五、一五〇円で、これに対する法人税額が六八、一六五、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税七九、三〇八、七〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

被告法人代表者兼被告人野黒一郎の当公判廷における供述のほか、公判調書中の検察官請求証拠等関係カードに記載の番号1ないし77と同一であるから、これをここに引用する。

<検察官請求証拠等関係カードの登載省略>

(法令の適用)

被告法人トーグ安全工業株式会社につき

一、判示各所為

各法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

一、併合罪処理

刑法四五条前段、四八条二項

被告人野黒一郎につき

一、判示各所為

各法人税法一五九条一項、二項(いずれも懲役刑選択)

一、併合罪処理

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(判示第二の罪の刑に法定の加重)

一、執行猶予

同法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 栗原宏武)

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